来週の水曜の夕方に知り合いが来ることになった。
（というか以前にもそういうメールが来ていたのだがてっきり金曜だと勘違いしていた）
だとすれば旅行にいけるのは土曜から水曜までの5日間。
メーサロンの桜がこの時期だったような気がして某掲示板で質問してみると2月らしいことがわかった。
となるとメーサロンは一度行ったから外れるな。
かといってガイドブックに載っていて興味のありそうなところはすべて行き尽くしているし、、、、
やっぱりビーチかなぁ。
でも久しぶりに行ってみたいプーケットはテロの警告が出ているし、パタヤは近くて行き易いけど海が汚いし。
コ・チャンにでも行ってみるか？
だけどトラートまででも6時間くらいかかるんだよなぁ。
あ、コ・サメットなら3時間くらいでいけるか。あそこなら海もきれいなことだし。
よし、コ・サメットにしよう。
（でも起きられた時間による）
「どこに行ってきたの？マレーシア？」
荷物を担いでアパートに帰ってくると管理人が微笑みながら声をかけた。
「いいや、コ・サメットに行ってきた」
「マレーシアにVISAをとりに行ってきたのかと思ったわ」
とひとまず挨拶して部屋に戻るとなんか雰囲気がおかしい。
まず消したはずのバスルーム前の電灯がついていた。
たまにそういうこともあるけど今回はちゃんと確認したはず。
クローゼットの扉も2つ開けっ放しになっている。
一つをあけたままにしてあるというのなら閉め忘れたということもあるが2つというのは変だ。
さらにベッドルームに視線を移すと２つの引き出しが両方とも開けたままになっている。
こんなところはまず開けることはないからますますもっておかしい。
気になってクローゼットの中をみてみるとなにか荒らしたような雰囲気。
はっと思ってカメラバッグを調べてみたら双眼鏡が外に出されていてコンパクトカメラがない！
やられた！空き巣狙いだ。
タイに来てほぼ1年になるがこんなことはやられたことはもちろん周りで聞いたこともない。
念のため、その他のものを確かめてみるとコンピュータもトランクの中身もそれに引き出しの中のCDプレーヤーもPS2もやられていない。
盗られたのはカメラだけだったのか。
ちょうど旅行中でデジカメとHPCを持ち歩いていたのは不幸中の幸いだったようだ。
カメラがなくなっているのが間違いじゃないことをもう一度確認してから管理人室に知らせに行く。
「部屋に置いてあったカメラがなくなっている。盗まれたらしい」
「えっ！」と管理人の表情が一瞬凍りついた。
「ちょっと部屋に来てみて」
「トックジャイ（驚いた）！」
「オレも驚いているよ」
「私はここで5年間働いているけど今までそんなことはなかったのよ」
管理人を連れて部屋に戻る。
「ほら、この引き出しが全部開けられているし、ここ（クローゼット）が開けっ放しになっていてここに置いてあったカメラがなくなっている」
と触ろうとすると「警察が来るまで触らないで！警察を呼ぶから」と慌てて下に降りていった。
しばらくすると管理人が掃除の女性と洗濯屋のおばちゃんを連れてまたやってきた。
自分たちが疑われるんじゃないかと2人とも、特に掃除の女性のほうがあせっている。
「私、今週はまだ一度も部屋に入ってないわよ」
「アパートから出て行くところを見てないから部屋で勉強してるんだと思って入らなかったの」
真っ先に疑われるだろうこの2人が空き巣を働いたりしないだろうことはわかっている。
それにやるなら今までにいくらでもできたはずだ。
「盗られたのはカメラだけ？」と管理人が尋ねる。
「うん」
「高いの？値段はいくら？」
「高いよ。だいたい35,000THB」
「オーイ！35,000THB！」
3人揃ってまた荒らされた部屋の中を見て回る。
「わたしはあんたが部屋にいないことも知らなかったよ」と洗濯屋のおばちゃん。
顔が真剣だ。
「大丈夫、あんた達は信じているから」
「誰が盗んだんだろう、、、」と管理人。
「○●○号室の人がこのあいだ荷物をたくさん持って出かけていったよ」
「ああ、あの人は怪しいね。女性の出入りも多いみたいだし」
「あ、▽▼▽号室の日本人もしばらく部屋を空けているんだった。確認しなくちゃ」とあたふたと3人で確認しに行った。
少したつとまた3人が戻ってきた。
「あっちの部屋は大丈夫だったわ」と管理人が言うと
「いつから旅行に行ってたの？」と掃除の女性。
「土曜の午後4時くらいから」
と応えると「土曜の4時からね」と一瞬ニヤリとした。
さては何か心当たりがあるのか？
「警察を呼ぶからそれまで部屋のものは触らないようにしてね」と言い残してまた3人が部屋を出て行った。
いったいどんなやつがやったんだろう。
内部か外部か？
外部のやつの仕業だとするとカードキーもなしにどうやって建物の中に入ったんだろう。
昼間に1階のドアが開いているときに来たんだろうか、それとも夜中に警備員をだまして入ってきたんだろうか。
部屋の鍵はどうやって開けたんだろう？
それとも彼女達が言うようにこのアパートの住人の仕業なのだろうか。
それなら建物内は自由に行き来できるので部屋の鍵さえピッキングできればいいから可能性は高い。
それにどうやって旅行中だということがわかったんだろうか。
などとしばらくいろいろ考えているとまたも管理人がやってきた。
今度は女性オーナー（彼女は英語が通じる）を連れてきている。
仕事中だったのかガールスカウトのような制服を着ている。
「盗まれたのはカメラだけ？」
「そう、カメラだけ」
「コンピュータは大丈夫だったの？ここに置いてあったまま」
「うん」
「きっとバッグに入るような小さいものを狙ったのよ。コンピュータは大きくて目立つから」と管理人が推測する。
しばらく2人でああでもない、こうでもないと勝手に話をはじめた。
断片的に理解できた内容からやはりアパートのある住人を疑っているらしい。
オーナーも厳しい表情で何度か頷いている。
「保険に入っているから盗難証明書が発行してもらえればそれでいいんだけど」
「わかったわ。警察は呼んでも来ないからこっちから行きましょう。10分ほど待ってて。車を持ってくるから」
というとまた去っていった。
オーナーの車で管理人と3人でパヤタイ警察に赴く。
警察署の前庭ではたくさんの紙袋の中からハンドバッグやらなにやらを引っ張り出していた。
「コピーよ」
ああ、コピー商品の見せしめ摘発か。
署内に入り係官のいる部屋に入ると、交通警官と違いまじめで頭のよさそうな30代半ばくらいの警官を前に中年の男女四人が口から泡を飛ばしながら激しくやりあっている。
「うるさいわね」と管理人。
早すぎて話の内容はわからないがどうも女性3人対男性1人の構図らしい。
もしかしてさっきのコピー商品に絡んでいるのだろうか。
10分ほど待っていると彼らの取調べがやっと終わって順番がまわってきた。
係官の前に3人並んで座る。
「どうしました？」
「彼が泥棒にあったんです。アパートの部屋で」と管理人が説明をし始める。
「彼が被害者で私は管理人、そしてこっちがオーナーです」
「住所は？」
「ラングナムの☆★☆です」
そこらでもらったような、ところどころ写真のページが挟まっているようなノートにアパートの地図や住所、名前を警官が書き込んでいく。
「パスポートを出して。タイには長いのか？」
「だいたい1年です」
「彼はタイ語を勉強するのが好きで、、、、」だいぶ興奮しているらしく管理人は一時も黙っていない。
「カメラのメーカーと値段は？」
「メーカーは京セラ。商品名はCONTAX TVSII。値段は、、」
「35,000THB」とまた管理人が代わりに応える。
あらかた調べ終わるとその部屋の前の別な係で、先ほどのノートを見ながら別な担当者が二重写しのレポート用紙にタイ語でびっしりと要点を書き込んでいく。
一通り書き終わると私と管理人、オーナーのサインを記入し写しをくれた。
これが盗難証明書なのだろうか？
それにしても実地見聞もしないで盗難証明書を発行してもいいものなのだろうか。
と思っていたら、「これから警官が指紋を調べに行くからちょっと待ってて」とオーナー。
じつは今日は日本から知人が来ることになっており、その待ち合わせの時間が過ぎていて気になっていた。
チェックイン予定のホテルに電話してみても『予約は入っていますがまだチェックインしていません』ということで連絡が取れない。
向こうも遅れているらしいから多少は遅れても大丈夫だろうがそれでも気が気じゃない。
「今晩は約束があるんだ。友達が日本から来るんだよ」
「何時？」とオーナー。
「6時半。ちょっと遅れているみたいなんだけど」
「警官が来るのを待たなければならないんだけど、私が部屋に入ってもよければ立ち会うからいいわよ」
ということで彼女に立ち会ってもらうことにしていったんアパートに戻る。
その知り合いと食事をして12時ころにアパートに戻ってくるとクローゼットのドアや電灯のスイッチに黒っぽい粉がついていた。
どうやら本当に指紋を調べにきたようだった。
さて犯人はつかまるのだろうか。
昨晩、警察に行った後で知人に会いにペッブリーのとあるホテルにタクシーで向かった。
「ローンレーム・アマリアトリウム、ペッブリータットマイ」
「モナリザの近くだな」
モナリザとはホテル前とかにたむろしている雲助タクシーがかならず口にするマッサージパーラー、いわゆるソープである。
「へぇ〜、そうなの。知らないや。日本から友達が来ているんだよ」
「これからマッサーに行くのかい？」
「いや行かないよ」
などと男だけでタクシーに乗るとありがちな話をする。
この運ちゃんはせっかちなのか、走りながらなぜかやたらと前の車にパッシングをする。
「そこがモナリザだ。よっていくかい？」
「いやいいよ、ホテルに行ってくれ」
そのホテルは目の前の通りに中央分離帯があり直接は入れないようになっている。
ちょっと行き過ぎてからUターンをする。
そのとき、ふっとメータをみるとなんと171THBとなっている！
なに〜、なんでこの距離で渋滞もしていないのに171THBもするんだよ。
そのまま気づかないふりをしつつ黙ってじっと見ていると、Uターンしてからほんの50mくらい進むあいだに2回もメーターが上がった。
おお、これが噂のターボメータータクシーか。
初めて見たわい。
そのままホテルのコンコースに横付けさせ初めて気がついたように声を発した。
「オ〜イ、175THB〜。これメータが壊れているよ。違うかい？」
「いや、しらない」ととぼける運ちゃん。
「だいたいこの距離だった70THBくらいだろ。ぜったい壊れているよ、そのメーター」
もちろん壊れているのではなく細工がしてあるのだ。
もしかするとパッシングでも上がるようになっているのかもしれない。
「・・・・」
「ほら！」といってその相場の金額を出すと
「オ〜イ、これだけかよ」といちおうはぼやいて見せた。
ダコ（フリーペーパー）に載っていたのは『命を大切にしろよ』という脅し文句だったがそこまではタイ語がわからなかったので言うのは諦めた。
それにしても空き巣といい、ターボメータータクシーといい、どうもこのところついていない。
オーナーが『必要ならドアの鍵を用意する』といっていたにもかかわらずなかなか持ってこないので管理人に催促したら写真のようなものを持ってきた。
「全部配り終わっちゃって余ってないからこれを使って」と渡されたものの鍵部分には向かいの部屋の番号が貼られている。
だいたいなんで一番先に言ったはずなのに『なくなってしまう』のか理解できないが、すでに配ってある部屋の鍵を取り外してもってくるというのもなんだかなぁ、という感じだ。
こんなものは未だかつて見たことがないが管理人が使い方を教えてくれた。
このマグカップのようなものを外側のドアノブにかぶせて下側の2箇所の穴に錠前を通してドアノブを直接触れないようにするらしい。
たしかにこれならドアノブの鍵穴に鍵あるいはピンなどを差し込んで回すことができないから単純にして安全性は高いかもしれない。
とりあえず外出のときは必ず掛けていくことにしよう。
しかし、水道メータの確認や掃除はどうなるんだ？
水曜からタイに来ているM氏に付き添ってアユタヤに行ってきた。
『時間がないからタクシーで行こう』ということでタクシーですらアユタヤまでは乗ったことがないのにホテルのリムジンサービス（ボルボ：3000THB）で豪勢に行った。
アユタヤはおそらく3,4年ぶり。
大雨続きの時には洪水で水没しているという噂も伝わってきてはいたが水が引いたのかまったく問題はなかった。
観光客は思いのほか少なく、ヴィハーン・プラモンコン・ボピットがタイ人が礼拝に来ていて一番にぎわっていた。
ここだけは外国人向けというよりもタイ人向けのような感じがした。
個人的にはワット・プラシー・サンペットが一番良かったかもしれない。
ああ、それにしても遺跡ネタだと書くことがないなぁ。
コ・サメット→バンコク（空き巣事件）を経てこの時期部屋を空けるのはかなり不安であったが、せっかく休みがあと4日もあるのでサンクラブリー（ミャンマー国境付近）に行ってきた。
旅行に関してはそのうち両方ともアップするのでそっちを見てほしい。
で、旅行中に気がついたことが一つ。
空き巣事件のときに見落としていたけど帰宅してから確認するとやはり腕時計も盗まれていた。
10年以上前にスイスに行ったときに買ったTisot。
まったく使ってなかったのでどうでもいいけど、警察の調書には書き込まれていないから保険の請求はできないだろうな。
それと郵便受けにアパートからのメッセージが入っていた。
『セキュリティを高めるためにTVカメラを設置した』とのこと。
いままでも設置はされていたのだが動作していなかったらしい (-_-;)。
まったく！
11日間の休みが終わり学校にいってみるとちょうどAさんに出会った。
「ああ、おひさしぶり〜」
「今日からP先生の授業があるんだよね？」
「いえ、どうも今日も（ポー6対策の）読みの授業らしいですよ」
「え〜、そうなの〜」
「でも帰らないで下さいよ」
すかさず釘をさされてしまった。
この休みのあいだずっと一人で授業を受けていた彼女はかなり心細かったらしい。
授業は初めて見た男の先生だった。
年は40代半ば、目がロンパリながらYシャツネクタイ姿が板についていてこの学校のほかの先生とは雰囲気がまるで違う。
大学の先生でも通じる風貌。
授業が終わってからその感想をAさんに話すと
「どこかで先生をやっていたらしんですけど事故で頭を打ってから、ここでアルバイトをしているみたいです」
もしかしたらソーソートーあたりの先生だったのかもしれない。
シンガポールよりも厳しいといわれる新しい禁煙法（保健省令）が11/8から施行された。
今までもA/Cが効いて締め切ったレストランの一部やファーストフード店は禁煙だったのだが、これからはエンターテイメント施設（パブ、ゴーゴーバー、マッサージパーラー、ナイトクラブ）を除く空調設備のあるすべての店は禁煙となる。
これに違反すると喫煙者には2000THB、店には20,000THBが課せられる。
施行された当日にソイ24にある一芯というそば割烹の高級店（Mさんのおごり）にいってみたがドアのところには禁煙のステッカーが貼ってあり店内にも灰皿は置かれておらず、屋外に座席と灰皿が設置されていた。
また、今晩もシーロムの味里にいってみると、カウンター席の隣に座ったタイ人ガイド風と日本人中年旅行者風が「灰皿をくれ」というと「店内は禁煙です」とウェイトレスに断られていた。
別室ならいいかと確認したがやはりだめな様子。
ガイドのほうが下手な英語で「11/8からタイ国内のレストランがすべて禁煙になった」と客に説明していた。
バンコク週報にもこれに関する記事が掲載されており『売上低下を危惧する日本料理店』と題されている。
日本人の喫煙人口は3000万人だそうで、在タイの和食店が不安を表すのもわからないではない。
法律自体は世の中の流れだから喫煙者の自分としてはつらいけど仕方のないことだとがまんするが、タイの場合問題になるのはそれがちゃんと取り締まられるかということ。
だいたい新しい法律ができると3ヶ月くらいは取締りが厳しくなる。
ゴミのぽい捨て禁止条例や大通りの横断禁止もそうだった。
ところがそういうところに目をつけたヤクザ- タイでは警察ともいう - が店々を回り小遣い稼ぎをする。
（正式に国庫に入るのではなく警官の懐に入る）
そしてほとぼりが冷めたころに警官に袖の下（タイ語ではお茶代：カー・ナームチャーという）を渡して見逃してもらうようになる。
一軒がこれをやり始めると他の店も対抗上やらざるを得なくなり継続的に警官に払い続けなければならなくなる。
まるっきり日本のヤクザのミカジメ料と同じだ。
言葉には出さないが日本食屋が危惧しているのはきっとこういうことなのだろうと思う。
個人的には3ヶ月程度でほとぼりが冷めて（タイ人は飽きやすい）実質的に禁煙が解除になればありがたいと思ってはいるのだが、、、
|
 |