９：４５にホテルを出た。
スリンに来た記念にせめて県庁の隣にあるという象の群の像を見に行くべく車で向かった。
しかし、近くに車を停め県庁周辺を歩き回っても交差点の角に３匹ほどの像が建っているだけで歩き方に載っていた写真のような群は見あたらない。
たぶんこの写真はどこか別の公園の写真を掲載し間違って注釈を入れてしまったのだろう。
こういう間違いはたまにある。
それでもせっかくなのでスリン駅に向かい駅前の象＋チャイヨー君（だいぶ前のＡＳＥＡＮゲームのマスコットキャラクター）の像を写真に撮ってお茶を濁す。
スリンからは２２６号線でブリラムに向かう。
実は東イーサーンを東西に結ぶ幹線は２４号線で、そちらの方が道はいいのだがスリンにしてもブリラムにしてもその道に入るには５０ｋｍほど南下しなければならないこと、時間に余裕があるため田舎道を通ってみたかったのでこちらを選んでみた。
スリンからブリラムへは５０ｋｍ弱。
予想していたように片側１車線の対面通行だが、それでもたまにトラックを追い越さなければならないくらいで交通量はそれほど多くなく、ストレスなく走れる。
やはりここら辺が日本とタイの大きな違いだと思う。
そうそう、今回運転している車に関して書くのを忘れていた。
今回はＡＶＩＳでＴＯＹＯＴＡ ＡＬＴＩＳの１．６Ｌを借りた。
今まではたいていＴＯＹＯＴＡのＶＩＯＳ１．５Ｌを借りていたのでそれの一つ上のグレードである。
料金は１日あたり２００ＴＨＢの違い。
ＶＩＯＳ１．５Ｌは燃費はいいのだが絶対的にパワーが足りないのか、それともギア比が高いのか加速があまりよくなく、１００ｋｍ／ｈで走っている車を追い越す時（タイではこういうシチュエーションはよくある）などＯＤを外すだけではもの足りず２速まで落とさなければならなかった。
ところが以前スラータニーで借りたＣＩＶＩＣの１．７Ｌはトルクが太く運転が楽だったことを思い出しＴＯＹＯＴＡでそれに相当するＡＬＴＩＳにしてみたらどうだろうかと思ったのだ。
というわけで今回のＡＬＴＩＳ。
当然のようにＶＩＯＳ１．５Ｌよりはトルクが太くて走りやすいのとゲート型のシフトも使いやすい。
４から３、３から２に落とすにも変速ショックが少なく心地よい加速ができるので追い越しも楽だ。
この上のＣＡＭＲＹにすればさらにいいのはわかっているがそちらにするとレンタル料金が１日２０００ＴＨＢを越えてしまう（それでも日本よりだいぶやすい）のでこの車種かＣＩＶＩＣの１．７Lあたりが自分にとってはちょうどバランスがいいかも知れない。
（ＡＬＴＩＳの１．８Ｌか２．０Ｌがあればそれも面白いだろう）
１時間もかからずにブリラムに到達した。
ところが目指すＮａｎｇ Ｒｏｎｇの行き先表示が見つからず入り組んだ市内に入ってしまう。
そこでまたＧｏｏｇｌｅ ｍａｐの出番。
昨日の４桁国道では国道番号も地名もほとんどなくあまり役に立たなかったがこういう市街地では効果てきめん。
ＧＰＳを受信させるためにダッシュボードの上に置き、たまに現在地を見るようにしてＮａｎｇ Ｒｏｎｇ方面への２１８号線を目指す。
１１時半、２１８号線に入ってすぐのＰＴＴで休憩。
ここには７−１１のほかにＯＴＯＰ（一村一品運動）の即売所、ぶっかけ飯屋、コーヒーショップチェーンであるＡｍａｚｏｎ Ｃｏｆｆｅｅがあった。
タイの郊外ではこのようにガソリンステーションが日本の高速道路のサービスエリアのような役目を担っていてガソリンを入れなくとも立ち寄る客は多い。
日本でもこういうガソリンステーションがあればいいのに、と思ったが土地の狭く、いろいろと法律のうるさい日本ではそういうわけにはいかないのであろうな。
ここで３０分ほどコーヒーブレイクしての再出発後、そこから５０ｋｍほどで昨日も通ったＮａｎｇ Ｒｏｎｇを通過、ここもいったんラチャシーマ（ナコンラチャシーマ、通称コラート。ただこのあたりではラチャシーマという表記が多い）方面に右折した後に３４８号線を左折。
そのまましばらく３４８号線を進んだ後、Ｔａ Ｐｈｒａｙａの手前でアランヤプラテート方面への３４８６号線に入る。
ちなみにタイの国道は１桁国道が各地方への幹線でその支線が２桁。
たとえば昨日の２４号線は２号線の支線、南部の４１号線は４号線の支線を表している。
同様に３桁は２桁の支線、４桁は３桁の支線ということになる。
だからこの場合３４８６号線は３４８号線の支線という位置づけだ。
ルーイ県を思わせる森林地帯を抜けるその道の途中でＴａ Ｐｈｒａｙａ Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｐａｒｋという看板を見かけたので入ってみた。
ところが敷地内の案内板によるとキャンプ場とかはあるらしかったが管理施設の周りを回ってみたもののトレッキングルートへの入り口は見つからない。
ほぼ前後して入ってきたクルンテープナンバーのＲＶ車も同じようにぐるっと回って出てきた。
いったん駐車場に車を停め手持ちの地図で確認するとどうも入り口はここではなさそうな感じだったのでまた元の道に戻る。
そこから少し走るとＷａｔｔａｎａ Ｎａｋｈｏｎが右とあったので地図で確認してからその３３９３号線に入る。
その道をしばらく進んで行くと道端に青地に白でＬａｌｕという標識が現れた。
右手には小高い山が見える。
もしかしたら絶景ポイントなのかも知れないと国道から外れて案内に従って進んでみる。
田園風景の続くその田舎道を１０ｋｍほど走ると集落の入り口に写真入りの大型の看板が見えてきた。
ここがそのＬａｌｕとやらなのか？と案内に従い左に折れると観光客を乗せてきたらしい２台のワンボックス車が停まっていた。
その先には池がある。
駐車場に車を停めドアを開けると『サワディーカップ・ピー』とおやじがワイをしながら近づいてきた。
「△○☆▼□◎レンマイ？コンラ２００バーツ」
よくわからんがなんかの観光をすると一人当たり２００ＴＨＢかかるらしかった。
そもそもここには目の前に池があるだけでそこに浮かべるボートもないしいったいなにをしろというんだろうか。
付近の村落の観察ツアーでもあるのか？
その説明をパネルで展示している、人気のない管理事務所が傍らに建っていたが、おやじが付いてきてうっと惜しいのとそのパネルを見るためにわざわざサンダルを脱がなければならないのが面倒だったので証拠写真を撮るだけでそのＬａｌｕとやらを後にした。
（トルコの有名なカッパドキアのように、地面からニョキニョキと柱状の岩が生えている場所らしいことが後ほどアランヤプラテートのホテルにあったサケーオ県の観光案内板でわかった。事前に知っていたら行っていたかも）
その後は３３９３号線から４桁国道を繋いでアランヤプラテートを目指していくとアランヤプラテートの９ｋｍ手前で３４８号線に合流。
２１８号線を外れてからというもののコンビニあるいは食堂を併設しているようなガソリンスタンドは見あたらず、朝食をとって以来この３時過ぎまでなにも食べていなかったので久しぶりに見かけたＰＴＴに入る。
７−１１でピザとカフェラテを買って軽い昼食。
そこからまもなくアランヤプラテートの市街地に入った。
まだ日が高いのでホテルにチェックインする前に先に国境に行ってみようと標識に従って進む。
先ほどの３４８号線から３３号線を左折し１０ｋｍほど行くと国境のゲートが現れたが、そのまま直進はできなかったので左に折れ混雑しているタラートの中に入り何とか駐車スペースを見つける。
パクセーの向かいのチョンメックの国境市場もそれなりの規模があったが、歩き始めてみるとここのはそれ以上で、観光客はレンタルのゴルフカートで移動しているほどかなり大きい。
車、それも観光バスまで入ってきてしまっているのでタラート内で渋滞も起きている。
せめて駐車場を入り口付近に確保して場内は一般車乗り入れ禁止にすればいいのにと思うのだが、きっと計画を立てるまもなくテナントがどんどん出店してしまったのだろうな。
売られているものは生活用品がほとんど。
その中でも衣類が多く金盥やゴルフクラブなども置かれている。
中国製品も相当は入いり込んでいるだろうがタイ人はそういう安価なものを、カンボジア人はそれよりは品質のいいタイ製品を求めてここまでやって来るのだろう。
生鮮食料品が全くないのもふつうのタラートではないということを物語っている。
タラートを通り抜けイミグレまで足を運んでみる。
今回はリエントリーパーミットの押されたパスポートを持ってきているので国境を越えることは可能なのだが、カンボジアに入るだけで２０ＵＳＤのＶＩＳＡ代が掛かること、ポイペト側では摺りにあいそうになったことがあることから今回はカンボジアに入国するのはやめておく。
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| タイ側のイミグレ |
タイ側のイミグレオフィスの脇まで行ってカンボジア側のゲートの写真を取って戻りかけるとひと仕事を追えて母国に戻っていくらしいカンボジア人たちとすれ違った。
なぜカンボジア人とわかるのか？
肌の色もさることながらやはり服装が違う。
小奇麗な服装のタイ人に比べるとカンボジア人の身なりはどうしても粗末に見えてしまう。
もちろん買い物やカジノ目当てにやってくるタイ人観光客とタイ側に出稼ぎにやってきているカンボジア人を比べるのはフェアではないが、それでも経済力の差を実感する。
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| 向こうにカンボジアのゲートが見える |
国境から市内に戻る途中でアランヤプラテートの駅に立ち寄ってみる。
かつてカンボジア側にも繋がっていたというこの路線は１日に２本の列車がバンコクからやってくるだけ。
ラオスとの国境であるノーンカイでは列車でラオス側に入れるようになったらしいが、タクシン元首相とカオプラビハンがらみで外交関係の悪くなっている今のタイとカンボジアではそれはあり得ないだろう。
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| これがアランヤプラテートの駅 |
たしか目指すアラン・マーメイドホテルはこの駅の近くだったな、とかなり薄れた記憶を頼りに線路に平行している道を市内方向に進んでいくと３４８号線とのＴ字路の右側に看板が見えた。
４時半、ホテル着。
疲れていたのかここではつい部屋も見ずに決めてしまったが通された部屋は吹き抜けに面した窓があるだけの薄暗い部屋だった。
周辺を歩いてみようかと外に出るとポツポツと雨が降り始めた。
そういえばバンコクとコラート（ナコンラチャシーマ）の今日の天気は雷雨だったことを思い出す。
バンコクではこの時期に雨が降ることはほとんどないはずなのだがこのあたりは違うのだろうか。
車に入っていると間もなく本降りになり出られなくなった。
すぐに止むかと今日走ってきた行程を地図で確認しながらしばらくそうしていたが雷も鳴り始めた。
これは当分止む気配もなさそうなので酒でも買いに行こうと看板の出ていたＴＥＳＣＯ Ｌｏｔｕｓに車で向かう。
３３号線をサケーオ方面に向かうとＬｏｔｕｓが右手に見えてきたのでその先をＵターンする頃にはワイパーを最高速にしなければならないほど雨足が強まっていた。
店の敷地内に入ると屋外に車を停めた買い物客は外に出られないらしく入り口で空を眺めながら雨宿りをしている。
屋内駐車場もあるようだったので建物を回り込んでそちらに駐車する。
エスカレータで２階にあがりＪＷの水割りボトルとつまみのネーム、ピーナッツを手にしてレジに向かうとレジの女の子が目の前に貼った上を指して酒は売れないようなことを言っている。
もう５時は過ぎている（タイは午後２時から５時は酒類の販売禁止）のだがどうやら今日は宗教関係で酒は売れないらしい。
そういえば今日はマカーブチャーで明日の月曜はその振り替えで休みなのだった。
「それならいいや」とつまみ類もその場においてレジを立ち去り、７ー１１は無理かも知れないがまさかあのクラスのホテルはそういうこともあるまいとやっと雨の上がった国道を戻る。
２階にある部屋までカラオケの歌声が聞こえていたのでうるさかったらイヤだなと思いつつ１階のレストランに足を運んだが、うるさいのは地元民がパーティーをしている宴会場だったようでここでは音量控えめに歌手が歌っているだけだった。
昨日のビーフに懲りたので今日はチキンのブラックペッパーソースとミックスサラダを注文。
ブラックペッパーが粒のまま入ったチキンのブラックペッパーソースはソースもピリ辛でうまいし鶏もぱさついてなく堅くもなかった。
味は合格。
ただ、家族連れのガキ４人が騒ぎながら走り回っていてそれが非常にうっと惜しかった。
（タイではこういうシチュエーションでも９５％、親もウェイターも注意することはない）
ＪＷ黒ラベルのソーダ割り２杯とで税・サービス料込みで４８３ＴＨＢ。
コストパフォーマンスはいいだろう。
ガキさえいなければ。
今日の走行３００ｋｍ
since 2010/03/08