ホテルでの朝食後にレセプションで部屋の空き状況を確認するもキャンセルはなかったようだったので宿探しに出かける。
ほど近いHotel Princeという、チェックアウト客で混雑している立派なホテルに入り、傍に立って作業を監視していたGMらしきオジさんに部屋は空いてないか尋ねてみると「ちょっと待て」と言われたが「フル」。
やはり近くにあった、Agodaでは予約の取れなかったKBNというまともそうなホテルも満室。
OasisもILarkもそうだけどもしかしてこの辺りに集中している中級以上のホテルは全てインド人グループ客に抑えられてしまっているのだろうか。
それなら格の落ちるG.Hならどうだろう、と一旦部屋に戻ってから歩き方に載っているGangaram G.HとCity G.Hに電話してみたがやっぱりダメ。
老舗らしいCity G.Hの方は親切なのかどうなのか、「客がいつチェックアウトするか分からんから取り敢えず来てみてくれ。空いたら部屋を貸せるから」と言われたがそんな呑気なことを言ってられないので断る。
となるといよいよ最後の手段。
写真に写っているボロさ加減から敬遠していた、Agodaに唯一残っているOdhav G.Hを携帯から予約することにした。
Agodaの地図で確認すると今のホテルから割りと近いようだったので荷物を担いで歩いて向かうと案の定5分くらいで到着。
外見からしてかなりボロい。
刑務所の看守小屋のほうがまだましなんじゃないかと思わせるレセプションでAgodaから送られてきたばかりのバウチャーをiPhoneで見せて「先ほど予約してばかりだ」と告げると「ちょっと待て」とどこかに電話した。
たぶんこれだけの安宿だと常にオンラインになってはいないのだろう。
それでも鍵を受け取って3階の部屋に向かうと、ドアの開いたまま荷物が散乱しておりまだ人が居る様子。
レセプションに戻り別な鍵を受け取ってその部屋に行くと鍵は閉まっていたもののそこもまだチェックアウトはしていないようだった。
いったいこのホテルの鍵の管理はどうなってるんだ！
ちょうどそこにレセプションの男が通りかかったので「ここもまだ人がいる」とちょっとムッとして伝える。
すると隣の部屋を開けたが、そこはチェックアウトはしたものの寝具の交換も掃除もなされていないようだった。
そうならそうで「まだ掃除が済んでいないのでチェックインはできない。ちょっと待ってほしい」と言えばいいのに。
呼ばれた掃除人がベッドメイクをするので見ていると「さあどうぞ」とのこと。
部屋に入り確認してみるとトイレの掃除がまだ終わっておらず床はビチョビチョ、ゴミが散乱している。
そのまま出て行こうとする掃除人に「おい、こっちも掃除してくれ」と伝えると頷いただけで下にいってしまった。
もしかしてトイレ掃除は別カーストなんだろうか。
念のためレセプションの男にトイレの掃除をするようもう一度伝えて外に出る。
昨日は宿探しに追われてWhite Rannへの手配ができなかったので今日できないとこの街にきた意味がない。
歩き方によるとアーイナーマハールの近くに旅行代理店があるとのことだったのでリキシャーでそちらに向かう。
車を降ろされたのはプラクマハールの入り口だったので先にプラクマハールを見学。
ここはマハラジャの宮殿だったらしくマハラジャに使われていた道具なども展示されているがやはり見所は謁見の間。
床がピカピカと輝く広々としたホールにトラやライオン、鹿などの剥製が飾られていた。
近くにあるはずのアーイナーマハールの場所がわからず、敷地を出たり入ったりを繰り返したのち、門の近くの萬屋に尋ねてみると中にあるとのこと。
嘘はついているようには見えなかったしと中に進んでいくとプラクマハールの右手の奥にアーイナーマハールがあった。
しかしその門の左手にあるという旅行代理店は影も形もなくアクセサリー売りが場所を占有していた。
アーイナーマハールはマハーラーオの住まいにその当時の家具を展示しているもの。
規模も小さいので時間がないならこちらは見る必要はないだろう。
さてどうしようか、と街に戻るとバススタンド近くに旅行会社らしい看板を掲げている小さな店がチラホラとあった。
なるほど、その一軒に入ってみる。
「はろー、White Rann行きの車の予約はできる?」
「できない」
え、、、そういえばここは各地域行きのバスの予約場のよう。
「じゃどこでできる？」
「向かい側」と指差した先には車道に鼻を向けて車が並んでいた。
なるほどあれがそうのか。
でも英語が通じなかったり金を払ったらすっぽかされるとかだと厄介だな、と周りを見渡すとその左手に別な旅行会社を発見。
ダメ元でそのLaxmi Tours & Travelsという店に入ってみることにした。
するとそれが正解、壁には目指すWhite Rann（歩き方にはそう書かれていたが実際にはWhite Salt Desert）の写真が飾られ、他のツアーの案内なども出ていた。
カウンターの向こうには30代くらいの理知的な顔つきの男。
「はろー、White Salt Desert行きの明日の車を予約できる？」
「シュア」
ほっ。
「帰りの飛行機が5時なので3時半には空港に着いておきたい。時間があったら途中の村にも寄りたい」
「ノープロブレム」
ということでここで車をチャーターすることになった。2,700+パーミッション代250INR。
パスポートのコピー（顔写真の付いているパージとインドVISAのページ）を渡せばパーミッション申請は事前にやってくれるとのこと。
これでやっと落ち着いて昼飯にありつくことができる。
昨晩は満席で入れなかったMaharaj Restaurantに向かってみる。
階段を上っていくと並んでいる人こそいなかったもののドアを開けて店内に入るとほぼ満席。
人数が一人であることを確認した店員が、一人分だけ空いているテーブルにすかさず案内する。
タイでは空いてないと言われるのがオチなのだけれどこの辺り、インド人の商売熱心さには感心する。
席についてメニューも見ずにベジターリを注文すると間も無く空いたテーブルに移動を勧められる。
で、肝心のベジターリ(140INR)。
最初こそ各種カレーとチャパティは素早くサーブされたものの、その後のおわかりのタイミングが悪く、欲しい時に店員が立ち止まらず腹がいっぱいになってから「ライスはどうだ」「チャパティは？」とやってきた。
味は悪くないものの昨晩の店の方がやはり美味かった。あの店は最強かもしれないな。
さてと明日の予約もできたし飯も食べたしで安心して今日の観光。
レストランから歩いて10分ほどのカッチ博物館はちょうど2時半からの開館で、たどり着いて間も無くドアが開いた。
するとそこに手を挙げてニコニコしている男がいた。
誰だっけ、あ、ホテルで「White Salt Desertに行かないか」と声をかけてきたやつだ。
いくらか尋ねると「わからない。タクシーに聞いてくる」ということだったので胡散臭いガイドかと思い「NO!」と答えたのだけど実は彼も家族連れの観光客で車をシェアしたかったらしい。
話の流れで車の予約をしたことを伝えると「だったらシェアしてくれないか」とのこと。
「飛行機の関係で3時半には空港に戻って来なければならないからそれはできないんだ」
「それは早いな、わかったよ」
部屋まで来て勧誘してきたからてっきり怪しい奴とスイッチが入ってしまったけど、ゴメンな。
さてカッチ博物館。
この二階建ての博物館はグジャラート州で最古の博物館だそうで、この地方の民族の衣装や仏像に混じって象牙でできた蛇、銀製の船なども展示されていた。
インド人は5INRのところ外国人は50INR+カメラ持ち込み料100INR。
よほどこの地方の文化に強い興味でもない限りわざわざ見る価値はない。
次に足を運んだのは湖の向こう側にあるシャラドバウグ宮殿。
ここはブージ最後のマーハーラオが住んでいた住居らしい。
右手に湖を眺めつつ強い日差しに炙られながら歩いていく。
暑いし疲れてきたのでリキシャーにすりゃよかったと途中で後悔するも、客引きリキシャーが目の前に停まったのは宮殿の直前だった。
分かりづらい入り口から進んでいきチケット小屋で入場料を支払おうとするとオヤジがチケットを慌てて引き出しから取り出す。
しかし「中で買え」と一言。
どうやら外国人は滅多に来ないのか、外国人用のチケットは全て無くなっていたらしい。(笑)
「あっちだ」と指示され樹々に囲まれたと遊歩道を進んでいく。
駐車場に車が停まっていたように、博物館となっている建物にはインド人家族が何組かやってきていた。
ここの主人の棺が展示されていたりソファーなどの家具が置かれていたりしたが、ここで突筆すべきは、大きな虎や豹の剥製。
今だと動物愛護団体が猛抗議しそうだけどこれはこれで見応えがある。
その小さな博物館の近くには朽ち果てた2階建ての建物が残っていた。
門まで戻って行く途中、前を歩いていた家族連れのお父さんがこちらを振り返って「あれを見ろ！」と頭上の木を指差した。
なんとそこには夥しい数のコウモリ。
先ほどからキーキー、キーキーと音がしていたのはこれだったのか。
周囲をよく見るとそこらじゅうの木にコウモリがぶら下がっていた。
今日最後に訪れたのはヒンドゥー寺院のスワーミナーラーヤン寺院。
それぞれの間隔はそんなでもないのだけど今日も歩きすぎて足がだるくなってきた。
たぶん顔や首筋の日焼けも結構きているのではないかと思う。
スワーミナーラーヤン寺院は2001年の地震で崩壊した建物を2010年に再建したものらしい。
よほど喜捨が多かったのか、大理石作りらしい真っ白な大きな寺院で多くの参拝客がやってきていた。
ホテルに戻りロンプラでブージのレストラン情報を読んでいるとこのホテルの近くにノンベジレストランのあることがわかった。
Hotel Noorani Mahal。
ホテルとは言ってもインドでは宿泊施設ではなくレストランであることがある。
たぶんここもそうなんだろう。
その店に出かけて行ってみる。
店に入るとすぐに2階に案内される。
どうやら下はノーAC、上はAC付きのようだ。
席に着くとすかさず差し出されたメニューにはなるほどチキンもマトンもある。
マトンマサラとベジブリヤーニを頼んでみる。
味は、、、まあ、このベジだらけのこの街でノンベジを口にできるのだから多くは語るまい。
飲み物2つで208INR。
さて明日のドライバーはちゃんと来てくれるのだろうか。
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