今日は今回の旅行の中で一番長いであろう移動の日。
10時のバスを目指してタラートサオに向かうと、公営バスステーションにたどり着く前のタラートサオの敷地内にバスが何台か停まっていた。
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| タラートサオのタクシー乗り場 |
乗務員が行き先を叫びながら客引きをしている。
「パクセー、パクセー」と繰り返しているやつのところに近づいていくと「どこにいくんだ」とテーブルを出して座っていたチケット係のおっさんがいう。
「サバンナケート」
「このバスだ」
「いくら？」
手元のリストには30,000Kの数字が並んでいる。
「25,000K」
そうか、30,000Kというのはパクセーまでなのか。
キップが暴落しているので料金の違いはあてにならないが、公営と私営のバスの違いを見る意味で乗ってみるのもいいだろう。
金を払いチケットを買う。
「何時出発？」
「あと30分」
バスに乗り込むと、以前も南方面行きはそうだったように真新しいバイクがすでに2台、通路に置かれていた。
空いている席にたどり着くのに一苦労する。
車内で待っているとまだ満員になってもいないのに、定刻より5分ほど早く『ブォー』と船の汽笛のようなあるいは牛の鳴き声のようなクラクションを鳴らしながらバスは出発した。
時折客が乗り降りしながら3時間でパクサンに到着。
パクサンってどこだ、と地図を見るとあれだけ快調に走っているのにまだ全体の1/3も来ていない。
ビエンチャン - サバンナケートは9時間と旅行人ノートに書いてあったが、舗装されてからはもっと早いかと期待していたもののやはりこの分だとそのくらいはかかるようだ。
パクサンを過ぎると雨期はいつもこうなのか、あるいはたまたまなのか周辺は洪水になっており、運の悪い家は床上まで水が上がっている。
日本でこんなことがあったらすぐにTVのニュースで騒がれるだろうけど、ここら辺では普通なのだろう。
もっともTVは街ではよく見かけるものの、ラオスにTV局ってあるのか？
昨日のホテルでも衛星とタイの放送しかなかったような気がする。
4時間走ったところのパッカディン（グ）という村でやっとトイレ休憩。
どうもこのバスの運ちゃんは小便の間隔が長いらしい。
あと1時間走られたらちょっときつかったかもしれない。
バスが停まると周りや車内に売り子たちがやってきた。
そのほとんどは12,3歳くらいの女の子たち。
だいたい東南アジアの男どもはあんまり働かないけど子供でも働いている男の子はそれほど見かけない。
ちょうど昼時で腹も空いてきたので串焼き3本買う。
1本2,000Kというので2本もらおうとして5,000Kをだすと3本くれた。
サービスか？
前回のベトナム行きの時にラクサオ方面へのソンテウを乗り換えた分岐点には5時間ほど。
ここから田圃は姿を消し森が続いていく。
そんな中にもぽつぽつと農家が見え隠れしている。
まさか木の実ばかりを食べているわけではないだろうに食料はどうしているのか不思議だ。
4時、つまり走り始めて6時間半でタケークのバスステーションに到着。
着いた途端に激しいスコール。
小降りになるのを待ち運ちゃんも他の乗客も降りていったのでトイレに行っておく。
お菓子や飲み物などを並べた売店を眺めたり水を買ったりしていると、こちらのバスと同じ青白ツートンの荷物満載のバスが入ってきた。
隣の席のラオス人に聞いたところサバンナケートかららしい。
そのバスから降りてきた10人ほどのファランがトゥクトゥクと交渉していた。
これから国境を渡るのだろうか。
30分ほど休憩した後に再出発。
サバンナケートまではあと2時間くらいか。
なるべくなら日が暮れる前に着いて欲しいものだ。
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| 牛の鳴き声を出すエアーホーン |
日暮れ間近の6時過ぎにセノー。
ここでもガイヤーンや卵、昆虫など手にした子供たちの物売りが激しい。
運転手も降りてしまいちょっと時間調整でもするようなので外に出て体をほぐす。
顔をペットボトルの水でごしごししてからタオルで拭くとかなり汚れた。
道は舗装になったとはいえやはり結構埃っぽかったようだ。
近くにいた車掌にサバンナケートまであとどれくらいなのか聞いてみると、脇にいたじいさんが「あと30分」と代わりに応えた。
いよいよ到着か。
7時にサバンナケートにやっと到着。あたりはもう暗い。
ここまでで9時間半も乗っていたことになる。
道もよかったし座る場所もちょうど真ん中だったし座布団も効いていたので思ったほどはしんどくはないけどやはりそこそこには疲れている。
バスから降りるやいなやトゥクトゥクの運ちゃんが声をかけてきた。
「どこに泊まるんだ？」
「ローンレーム・メコン」
「？？？」
あれっ、通じない。ラオ語だとローンレームじゃなかったっけ？
ホーン何とかか。ま、いいや。
「ホテル・メコン」
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| メコンホテル |
サバンナケットは意外と大きな街のようだが川沿いは薄暗い。
その薄暗い道沿いにホテル・メコンは建っていた。
ガラスのドアを開けて狭い受付に入り「空き部屋ある？」と男性に尋ねるとあるとのこと。
あ〜、よかった。
疲れているからこんな暗い中探し回るのはイヤだもんな。
「よかった。今日は疲れているんだ」
「どこから来たんですか？」
「ビエンチャンから。9時間半もかかったよ」
「お茶をどうぞ」
ま、これも一種のウェルカムドリンクか。
早く部屋に入ってシャワーを浴びてさっぱりしたいんだけど彼がいろいろと話しかけてくる。
「どこの国からですか？日本？」
「そう。でも今はバンコクにいるんだ」
「だからタイ語がうまいんだ」
「いや、まだ全然よくないよ」
「明日はタイに？」
早く部屋に通してくれ！
「そう」
「サバンナケートは初めて？」
「いや、二回目。3年前に同じようにビエンチャンから来て1泊してパクセーに行った」
なかなか終わりそうにない。
「部屋を見てみたいんだけど」とこちらから切り出す。
受付を出て歩きながら「どちらがいいですか。こちらは新しい部屋、こっちが前からある部屋」
「眺めのいい部屋。そこの部屋は空いてる？」
「はい、清潔で広いですよ」
清潔かどうかは民族間の価値観の違いだろうが部屋は結構広く天井も5mくらいの高さがある。
窓を開ければメコン川が見えそうだ。
「ここでいくら？」
「80,000Kです」
「じゃ、この部屋ね」
シャワーを浴びて体中の埃を落としついでに洗濯をしてから晩飯を食べに外に出る。
このホテルにもレストランがあるようだがちょっと周りを見ておきたいのだ。
ビエンチャンと同じようにメコン沿いに屋台がパラパラと出ているが何とも薄暗い。
対岸のタイはホテルらしき大きな建物もあるというのに。
経済力の差がそのままワット数に現れているような気がした。
船着き場兼イミグレがあったのでちょっと覗いてみる。
通りから階段を下りた正面に両替所、右側が出国左側が入国になっているようだ。
船の時間が書かれている。
最初が9:30で一日4本しかないようだ。
明日はちょっとだけサバンナケットも見てみたいから11時台のやつかな。
さらに川沿いを歩いてみるがその建物以外は石油ランプだけしかない薄暗い屋台が数軒あるくらい。
ちょっと明るめのソイにあるLao-Parisとういう食堂の前にファランがたまっていた。
たぶんロンプラにでも載っている店なのだろう。
近所には他に店はなさそうなので雑貨屋のようなその店内に入ってみる。
メニューはすべて英語でラオ語表記はない。
完全に外国人向けの店のようである。
ラオ・サラダというのがラープであることを確認してラープ・ム〜とキャベッジ・マスタードのオイスターソース炒めを頼んでみる。
ところがキャベツ・マスタードとあったのはパック・カナーだった。
せめてラオ語の表記でもあればわかったのに。カナーはあまり好きじゃないんだよなぁ。
ラープ・ム〜はレモングラスの香りがきつくそのかわり全く辛くない。
ワンビエンのルアンパバン・ベーカリーのム〜・サップを炒めてあるやつのほうがずっとうまい。
この店ははずした。
オープンエアーのため蚊はぶんぶんしてるし、小さな蟻はテーブルから腕にはい上がって来るわで、いるだけでどこか痒くなるので、さっさとその店をあとにしてネット屋を探しに行く。
まだ10時前だというのに昔のビエンチャンか（ベトナムの）フエくらい真っ暗な街を犬に吠えられながら教会の方に歩いていくとINTERNETという看板に明かりがついていた。
「日本語を書きたい」と言って案内されたPCはタイ語のフォントしか入っておらず日本語のページを開くとフォントのダウンロードが始まった。
こんなので時間を無駄にしたくないのでCD-ROMドライブも付いていることだし手持ちのグローバルIMEのCD-ROMをインストールしようとしたが認識されない。
隣にいた、客だか店員だか解らない若い男に「日本語が書きたいんだけどあのPCには入ってない。どれで書ける？」と聞くと探してくれた。
ちょっと使ってみると自宅で使うのと同じくらいのスピードは出ている。
今までラオスで使った中でこの店は最速だろう。
目印はCanonの看板。
since 2002/08/26
