6時すぎには目を覚ましていたので食事後早々にチェックアウトをしリキシャーでバスターミナルに向かう。
日曜だというのに朝もはよからコロンボフォート駅周辺は激しく渋滞しており相変わらず排気ガスがひどい。
街自体が小さいから騒がれていないけど、昔のデリーやダッカのようだ。
そういえばどちらもリキシャーの走っている街である。
コロンボのバスターミナルは幾つかに分かれているのでリキシャーに乗り込む際にドライバーに「アヌラーダプラ行きのインターシティバスの乗り場」と伝えておいたのだが「ここだ。奥に進めばACバス乗り場があるから」と駅の東隣に位置するターミナルで下された。
奥に行けば乗り場があるんだろうと進んでいくとチケットブースがあり「アヌラーダプラ行きのインターシティバス乗り場はどこ？」と尋ねると乗り場は3番ホームだけどインターシティはないとのこと。
インターシティとはいわゆる急行バスで時間も早くACも効いているバスのことで距離もあることだしできればそちらに乗りたい。
念のため近くにあった別のブースで聞いてみても「3番ホーム、インターシティはなし」との答え。
なければないで仕方ないとそちらに向かってみる。
するとこのバスターミナルのホームとやらがやたらと長く主にノンACのボロバスがズラーーーっと20台くらい並んでいて乗務員がそれぞれ行き先を叫んでいる。
その中の一人が声をかけてきたので尋ねてみる。
「アヌラーダプラ」
「途中で乗り換えて10分になるけどいいか？」
「ACバス？」
「そう、これだ」と後ろに控えた小型バスを指差す。
ま、割りと上等な選択肢だろ、荷物を抱えてその車に乗り込む。
最初のうちこそガラガラだったが30分ほど経つと次々に客がやってきていつの間にやら満席。
9時すぎになってやっと出発した。
料金を回収に来た車掌から渡された乗車券にはColombo 9.00am Vavuniya 3.00pmと書かれておりGooglemapで検索してみるとそのVavuniyaとはアヌラーダプラより先にあるらしくひとまず安心。
渋滞のコロンボ市内を抜けるとすんなりと走り始める。
ところが他の国ならたいてい2,3時間でトイレ休憩が入るはずなのに途中の街々で何度も渋滞しながらもひたすら走り続け4時間経ってダンブッラの手前でやっと休憩。
そこでサモサ（というよりカレーパンに近いか）のようなものを購入して昼食。
20分ほどの停車ののち再出発。
1時間ほど走ったところで「ここで待っていればアヌラーダプラ行きのバスがやってくるから」とアヌラーダプラ手前17kmのギャルクラマというところで降ろされる。
一緒に降りたのは、もう一人のスリランカ人。
木陰で待っていると何台もバスはやってくるもののアヌラーダプラ行きは来ない。
5台くらいやり過ごしたあとで行き先にアヌラーダプラと書かれたバスがやっとやって来た。
Googlemapをにらみながらそのバスでホテルの近くまで乗っていく。
今日の宿は来る途中のバスの中で携帯からAgodaで予約したホテル。
今やアジアの大概の国でこういうことができるようになりウォークインで満室だと断られることもなくなり自分みたいなスタイルの旅行がほんとうに楽になった。
門を入っていくと宿の人が出てきたので名前を告げてAgodaで今日予約した旨を伝えるとすんなりとチェックイン。
到着時刻が思ったより遅くなりこれから遺跡に向かってもその日だけ有効な入域料の25USDが無駄になってしまうと考え、今日は遺跡を諦めもう一泊することにした。
こういうのも最初に全てを予約するのではなく柔軟に宿の予約をできるからならでは。
するとその男が明日の遺跡巡りはどうするのかと尋ねてきた。
「車、オートバイ、自転車、なんでも手配できるよ」
「オートバイは自分で運転できるの?」
「いや、私が運転してガイドすることになる。私は正規のガイドライセンスも持っている」
「ガイドブックを持っているのでガイドはいらない。うーん、だったらリキシャーがいいや」
彼が一声かけると間も無く白いシャツに白いルンギ、髪も髭も真っ白なジジイがやって来て彼と話せとレセプションの男は離れていった。
どうやら彼がリキシャーワーラーらしい。
歩き方の写真を見せて4,5箇所回ってほしいことを伝える。
「何時出発がいい？昼になると暑くなるから朝のうちがいいぞ」
「じゃ、9時出発で」
部屋に荷物を置いたのちビールでも飲もうとホテルのレストランに向かう。
すると客は誰もおらず、先ほどのジジイが近寄って来た。「ビールか？」
どうやら彼は単なるリキシャーワーラーではなく宿の関係者のようだった。
ビールを注いでもらって飲み始めるとそのジジイは話好きなようで色々と話しかけてくる。
「暑いかい？」
「暑いね。今が一番暑いのかい？」
「そうだな。この時期は暑すぎて昼間は誰も外を歩いとりゃせんよ」
「オレはタイに住んでいるけどタイも今が一番暑い。ほら今日のバンコクの気温は38度だ」とiPhoneのアプリを見せると目をまん丸にした。
「タイもそんなに暑いのか！」
「まだここのほうがマシだね」この時刻でも34,5度。
「タイ人はグループでやってくるんだ」
なるほど、そういえばコロンボの宿にはフロントガラスにタイ語のプレートの置かれたバスが3台も停まってたなぁ。
彼らにとってはタンブン旅行の延長なのだろうか。
「今回はニューイヤーホリデーなんだ」
「スリランカも4/13,14がニューイヤーホリデーだ。旅行者もたくさんやってくるし帰省客も多い」
「なるほど、それでバスも混んでたのか」
「コロンボからバスでやって来たんだって？」
「そうさ、6時間かかったよ」
「そんなに時間がかかったのか！」とまたも目をまん丸にして驚く。
「夕食は何時にする？」とジジイ。
「じゃ、7時」と答えると「7時な」と念を押された。
暑くて外に出る気にもならずACの効いた部屋でゴロゴロしているうちに7時になったので半ば義務的にレストランに向かう。
従業員に「スリランカカレー？チキンorフィッシュ？」と尋ねられたのでチキンカレーを注文。
するとしばらくしてチキンカレーを含めておかず類が7皿も出てきた。
バンコクのスリランカ料理の店もこんな感じだったけどうっかり忘れてたわ。
チキンカレーは普通だったけど南インド同様野菜カレーがうまい。
これって毎回これだけ作ってる？それとも従業員用にまとめて作っているのだろうか。
明日はアヌラーダプラ1日観光。
since 2016/6/5
