昨晩は廊下で男女がけんかしているらしい物音で何度か目を覚まされた。
ホテルにあった列車のブッキングオフィスでソウル行きセマウル号の特室を購入する。
11600KRW。
チェックアウト後、そぼ降る雨の中をM氏と二人でタクシー(6400KRW)で大田駅へ向かう。
腹が減ったのでとりあえず飯だ。
駅の広場の向こう側に、いかにも「駅前食堂」という感じの食堂が並んでいる。
おお、なかなかいい感じ。
店に入るとやはり思っていたとおりの安っぽいテーブルにビニールクロス地のパイプいす。
壁には短冊状のメニューが貼ってある。昔の映画に出てきそうだ。
ただ違うのは、そのメニューがすべてハングル。
やっぱり読めない。
こういうときはまわりの人が食べているものを指さすに限る。
「あれ、ちょうだい」
定食のような物を食べている人を指さす。
「○※△□」
おばちゃんがなんか言ったが全然わからない。
「そうそう、それでいいよ。2つね」
だいたいこんなときに使う言葉なんてどこの国に行っても同じだ。
まもなく持ってこられたのはどんぶりご飯、キムチ、もやしとチゲ。
日本だったらさしずめ豚汁定食というところか。
掻き込むようにして食べる。キムチが食欲を増進する。
ぷは〜、食った！
「ケイサネジュセヨ」
知っている数少ない韓国語で勘定をしてもらう。ひとり4000KRW。うん、安い。
キムチはうまいし、飯は安い。韓国なら少なくとも3か月は生活していけそうだ。
腹も一杯になったので駅へ向かう。
10:15発セマウル号、特室の乗車率は90%ほど。
昨日はあまりに快適だったので寝てしまったが、今日は食堂車に行かねば。
我々の車両は二号車で食堂車は隣の三号車。
腹は一杯だが話のタネにコーヒーでも飲みに行こう。
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セマウル号の食堂車 |
私がバスより列車の方が好きなのはいくつかの理由があるが、食堂車もそのひとつ。
どことなく旅情を感じさせてくれるからだ。
セマウル号の食堂車は中程に小さな厨房とカウンター席。
それを挟んでテーブル席がある。
窓際のテーブルについてコーヒーを注文する。
窓の外を眺めると、田んぼが広がっている。
畦道の雰囲気も日本の田舎の風景と変わらない。
この列車がセマウル号じゃなくてJRの特急車で今、その食堂車にいるとしてもそれほど違和感がないだろう。
そんな風景の中に整然と立ち並ぶ高層アパートが見えてきた。
近くに工場でもあるのだろうか。
そういえば、アパート暮らしでも韓国の人はベランダとかでキムチを漬け込んでいるというのをTVで見たことを思い出した。
あれだけアパートがあったら相当な量のキムチが作られているんだろうな。
ソウルには11:50に到着。地下鉄一号線で市庁舎へ。
この駅の近くにJALのCTOがあることは前回来て知っている。
さっそく帰りのチケット(SEL-FUK-TYO-SEL)を発券する。49900KRW。
日系ということもあり日本語が通じるので楽だった。
時間が余っているので明洞まで歩く。
前回食べ損ねたビビンバを食べるために「歩き方」を見ながら全州屋を探す。
同じようにガイドブックを見ながら歩いている日本人カップルを見かけた。
ガイドブックに載っている店に行ってもどうせ日本人ばかりだとつまらないので急遽変更して通りすがりの、プルコギの写真が飾ってある店に入る。
プルコギも食べてみたかったからちょうどいいや。
店内は白木が目に付く清潔そうな作り。
おそらくできて間もないのだろう。
ビール好きのM氏がいる（他人のことは言えないが）のでまずはビール。
目的のプルコギとM氏が食べてみたいとのことでパジョンを頼む。
プルコギはジンギスカンなべの中央を少し低くしたような鍋にひたひたの汁と具を載せて運ばれてきた。
テーブルにおかれた卓上ガスこんろで煮込みながら食べる。
吉野家の牛皿を鍋にしたようなものを想像してもらえればいいと思う。
味付けはちょっと甘めだが、なかなかいける。ビールが進む。
飲みながら話し込んでいたら14:30になってしまったので急いで地下鉄の駅（乙支路3街:ウルチロサンガ）へ向かう。
途中、乗換駅を乗り過ごしてしまったがだいたい１時間で金浦空港に到着。
時間がないですぐにチェックインを済ます。
韓国の出国税は外国人が9000KRWなのに韓国人は10000KRW。
他の国は外国人のほうが高いのが当たり前なのにちょっと変わっている。
外貨不足なので自国民を海外に出さないようにするための策か。
JL972便ソウル発福岡行きは10分遅れて16:50分、搭乗開始。
シートは事前指定通りの81D。
機内にはいる直前に箱入りのサンドイッチを手渡される。なんだ、こりゃ。
エアーマンダレーじゃあるまいし。
機内アナウンスが流れてこの意味が分かった。
気流の影響で揺れが激しく、通常の機内サービスができないらしい。
箱を開けてサンドイッチをほおばってみるがパサパサしていてまずい。
食わなきゃよかった。
アナウンスどうり、シートベルト着用サインが消えることなく、18:10分、福岡空港に到着。
FUK-HNDチェックインを済まして空港ビル内のラーメン屋に入り博多ラーメンを注文するが、まずい。
こんなのは博多ラーメンじゃない。
今回の旅行の最後はどうもいまいちだったな。
ま、釜山でうまい焼き肉が食えたからよしとするか。
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