（2011/11）

撃沈

南西のダムヌン方面も北のアユタヤー方面もあいかわらず洪水の影響で渋滞が激しいらしいので今週も東方面に出かけてみる。
まずはパヤタイからＡＲＬでスワンナプームへ移動する。

スワンナプーム空港のタクシー乗り場で「チャチュンサオ」と告げると「チャチュンサオのどこ？」とカウンターの女性。
「チャチュンサオ県のナコンヌアンケート」
どこそれ？と隣に立っていた運ちゃんの顔を見上げると運ちゃんも首を傾げる。

こういうことがあろうかと地図をダウンロードしておいたＧｏｏｇｌｅ ｍａｐを運ちゃんに見せると付近の地名から何となく分かった様子でゴニョゴニョと女性に告げる。
すると「１０００ＴＨＢ」と係りの女性。
えっ！！そんなにするの！
「バンコクじゃないからメーターじゃないのよ」
「じゃ、ムアン・チャチュンサオは？」
「同じ」
４〜５００ＴＨＢくらいは想定したが１，０００ＴＨＢはさすがにぼり過ぎなので別な方法を考えることにしてカウンターを去る。

さてどうやって行こうか

いったんＡＲＬでラッカバンにもどる。
ここで国鉄に乗り継ぎできるはずだ、とホームから降りていくと連絡橋みたいなものはなく、さらに地上に降りてもコンクリート塀に覆われていて国鉄駅には入れず。
ぐるーっと回ってホームづたいに歩いてやっと駅のホームにたどり着いた。
ＡＲＬの車内アナウンスで毎回毎回「ここでタイ国鉄東線に乗り換えることができます」と言ってる割りにやはりぜんぜん客の利便性を考えていない。

ホームのはずれにある小屋までたどり着きそこの窓に時刻表が張られているのに気がついた。
しかし、、、次の列車は２時間後。だめだ、こんなんじゃやっぱり使えんだろタイ国鉄。

幸いにして駅の周りにはタクシーが何台もたむろしていた。
近づいていっておっさんに行き先を告げるもその人は知らないから面倒だったらしく、後からやってきた客を乗せてさっさと出て行ってしまった。
こういうところ、タイはほんとうにどうしようもない無秩序さで腹が立つ。
どうするかなー、これで行けなかったら近所のタラートナーム・マハナコーン・スワンナプームで誤魔化すというのもありなんだが、、、とちょっと考えていると、しきり役の太ったおばちゃんがやってきた。
「どこに行くの？」
「タラートボーラーン（古い市場）・ナコンヌアンケート」と言うついでにタイ語で書いておいたメモを渡す。
まわりの運転手たちはポカンとして首を傾げていたが「タラート・ロイピー（百年市場）でしょ。クローンスワンよ」と運転手に指示を出した。
「マイチャイ、クローンスワン。タラート・ナコンヌアンケート、チャンワット（県）・チャチュンサオ！」
その言葉で再度運ちゃんたちが顔を見合わすがやはり誰も知らないらしい。
やはりそんなにマイナーか、これはいよいよマハナコーン・スワンナプームか、と思い始めていたところにそれでも寄ってきた１人のドライバー。
Ｇｏｏｇｌｅ ｍａｐを見せるとわかってるから乗れと車に連れて行く。
「ピー、いくらにすればいいんだい」とおばちゃんに聞いている。
「６００ＴＨＢ」
協定料金らしい。

「で、タラート・ナコンヌアンケートだっけ」と走り始めてからそいつがいう。
「そうだよ」と応えると携帯でどこかに電話し始めた。
「タラートボーラーン・ナコンヌアンケートってどこだい、ピー。いやいや、クローンスワンじゃなくてナコンヌアンケートなんだってさ。ファラン、いやイープンが」
そうそう。

電話を終えたドライバーが「もういちど地図を見せてくれ」という。
地図読めるのかなーといぶかいつつも再度電源を入れて画面を見せる。
「ここがムアンチャチュンサオ（チャチュンサオの県庁所在地）でここが行きたいところ。クローン・ルアンペーンとかプレジデントゴルフが近いね。スウィンタウォン通り沿いらしい」
「ああ、、わかったよ。スウィンタウォン通りのプレジデントゴルフだね」
「あんた、チャチュンサオは知ってるのかい？」
「ああ、よく知ってるよ」と答えつつ「ピー、プレジデントゴルフにはどうやっていったらいいんだい？」と新たに電話。
ま、こんなもんだタイランド、着いてくれればそれでいい。

ラッカバンからいったん北上した車は３０４号線を右折、あとはチャチュンサオ方面をひたすら目指す。
たぶんこういうのってＧＰＳ付きの車を自分で運転していれば絶対にしない苦労なんだよな。
ま、それが面白いんだけれど。

タラート・ナコンヌアンケート

より大きな地図で talat nam / talat 100y を表示

ラッカバンから約５０分でタラート・ナコンヌアンケートに到着。
しかしそこは国道から８００ｍも入ったところでしかもソンテウもモータサイも待機していない。
これは帰りの足が心配だ。いつかのタラートナーム・ラートチャドの時の記憶がよみがえる。
こんな日を遮るもののない道を延々と歩くのは嫌だったのでタクシーに待っていてもらうよう交渉。
ここまでの６００ＴＨＢを払い１時間の待機とムアンチャチュンサオまでの料金で５００ＴＨＢで交渉成立。

ゲートをくぐると目の前に木製の橋が視界に飛び込んできた。

その脇では地べたにビニールシートを敷いたクイティアオ屋台が営業中。
なんでこうなるのか、いつものことながらタラートナームではクイティアオである。

ここのタラートはこの橋を中心にして上下１００ｍほどずつ。
割合からしたらクイティアオ屋がやっぱり多いかもしれないが観光客向けの土産物屋や子供のためのちょっとアンティークなオモチャ屋などもある。
手漕ぎやエンジン付きのボートでなく公園の池にありそうなアヒルの足こぎボートが並んでいたことからして家族連れがそこそこ来るのかもしれない。

それにしても土曜の３時半という時刻でこの人の少なさはなんなんだろう。
それでもまだラートチャドよりはましか。

川沿いの商店を覗きつつぶらぶらしていると自宅前の縁台に座り込んでいたばあさんが「そっちにいくと寺があるよ」と教えてくれた。
大して興味もなかったが無視しても悪いのでそっちに足を運ぶと５０ｍほどのソイの突き当たりに小さな中国式の寺院が建っていた。
そうか、他のタラートナームの例に漏れずここも中華系だったのか。

折り返して反対側の外れまで歩いていくとその先にシーヤェーク（４差路）・ターカイという案内板が立っていた。
ここが運河の交差点、やはり昔は運河が道路の代わりだったんだろう。

このタラートは規模は大きくないしそれほど特色もないがこじんまりしていて、開発度も高くないしでなかなかいい感じ。
しかし歩いているうちに店はどんどん閉まり始め、船に商売道具を積んだおばちゃんも家路を急ぐ。
さっきまで通りかかる人に元気に声をかけていたクイティアオ屋も店じまいの最中。
おいおい、まだ４時だぜ。
タラートナームならやっぱりクイティアオだろ、どうしてくれるんだよ！とひとり憤慨していると一軒だけかろうじてまだ営業していた。

そこでクイティアオを一杯。
ふつうタイのクイティアオナームはスープ自体には味はほとんど付いてないものだがここのはベトナムのフォーボーのように肉の出汁が利いていてうまい。
量が少なかったのでもう一杯、それでも一杯１０ＴＨＢとリーズナブルだった。

チャチュンサオへ

ちょうど１時間ほどでゲートの前まで戻ると先ほどのタクシーがボンネットを開け日陰で待機していた。
助手席に寝ていた運転手を起こし３０４号線をチャチュンサオ方面に向けて進む。
途中で車を停め「ピー、チャチュンサオの駅はどこにあるんだい」と再び電話で聞きながらも２５分ほどでチャチュンサオの駅に到着。
（駅の場所も知らんでよく「チャチュンサオはよく知ってる」と言えたものよ）

車を降りた目の前にあった時刻表であと１０分くらいかと窓口でチケットを買いそのチケットを確認すると出発時刻は１８時。
なんだよ、あと１時間半もあるじゃないかよ、ともう一度確認しに行くとそれは『バンコク発』で裏に『バンコク行き』があった。
やっぱり１８時。orz
チケット代は１８ＴＨＢと安いのでそれを捨ててバスターミナルに移動しようかとも思ったが帰りを急ぐわけでもないしたまに列車も旅もいいかと売店でビールとポテトチップを買ってベンチで列車を待つ。

バンコクへ向けて

定刻の１８時を数分過ぎて列車が入ってきた。
アランヤプラテートからということだったので３０分くらい遅れて来るかと思っていたからこれは意外だった。
全席三等の普通列車、、かと思いこんで乗車したらほどなくやってきた車掌に「これは急行なので急行料金を頂きます」と２０ＴＨＢを徴収される。
まあいいんだけどさ、だったら最初に窓口で徴収しろよ。

目の前に座っていたおばちゃんが『どこの駅に停まるのか』と車掌に尋ねると『ジョラケー、ラッカバン、タップチャン、フアマーク、マッカサン』と言ってた。
パヤタイには停まらないのか？
どうするかなー、ラッカバンあたりでＡＲＬに乗り換えるか。

乗客は９９％タイ人。
しかも日焼け度合いや服装からしてＢＴＳやＡＲＬに乗っているのよりもレイヤーの低そうな人たち。
バスより時間は掛かるけど３等列車は圧倒的に安いからやはりそうなるよな。
それでも弁当売りがやってきたりするのでタイで旅情を楽しむなら列車が一番だと思う。
この季節なら扇風機でも問題ないし。

フアマークを過ぎたところで車掌が通りかかったのでパヤタイに停まるかどうか確認すると「パヤタイには停まらないからマッカサンで降りてください」とのこと。
ならば仕方ないからマッカサンで降りるかと考えつつ、そういえば日本の新幹線や特急って電光板に停車駅が表示されるんだったと思いだした。
タイよりずっと車両が新しいというのもあるけど、韓国、台湾もそうだがこういうのってやっぱり客の利便性を考えてるよな。

予定時刻より１０分も早くマッカサンに到着。
停まったところは低いホームすらもなにもなく薄暗い線路を歩かされることになった。
ＡＲＬのラチャプラロップが彼方に見えるが歩いて行くには遠すぎる。
ＡＲＬに乗り継ぐならもっと手前じゃないとだめだった。

ちょうどやってきたタクシーに行き先を告げて乗り込んだ。

データ

移動

日付	区間	移動手段	料金	所要時間
11/27	パヤタイ - スワンアプーム	ARL	45THB	30m
	スワンアプーム - ラッカバン	ARL	15THB	5m
	ラッカバン - タラート・ナコンヌアンケート	タクシー	600THB	50m	メーター使わず
	タラート・ナコンヌアンケート - チャチュンサオ駅	タクシー	500THB	25m	ラッカバンからのタクシーを待たせておいた。
	チャチュンサオ - パヤタイ	列車	18THB+ 20THB（急行料金）